硫黄島からの手紙

先日、硫黄島からの手紙を観てきました。
公開されてから日数が過ぎているので、席は空いていました。
観にきていた人は、年配の人も多かったですね。


前作の「父親たちの星条旗」と同じく、すばらしい作品でした。
アメリカ人のイーストウッド監督がこのような作品を作れるとは、さすがとしか言えません。
逆に、日本人がこの作品を作ろうとすれば、左右両方の思想団体やら、スポンサーの思惑やら、さまざまなことがあるから作れないのかもしれない。
詳しい内容は書きませんが、一般的な戦争映画にありがちな主張が前面に出てきません。
フィクションも交えながら、事実が淡々と流れていく。
イーストウッド監督らしい作品に仕上がっています。


硫黄島の戦いで、一般的な日本人が知っている内容なこの程度。
『1945年2月19日にアメリ海兵隊の上陸が開始され、3月26日に日本軍の組織的戦闘は終結した。日本軍は20,933名の守備兵力のうち20,129名が戦死した。アメリカ軍は戦死6,821名、戦傷21,865名の損害を受けた。』
硫黄島での戦いを、映画という形で日本人に広めることをしたのがアメリカ人というのは、何やら皮肉な感じです。


アメリカの視点でも、日本の視点でもなく、監督からのメッセージも前面に出さず、戦争の悲惨さなどをアピールするようなドキュメンタリーでもない。
「どんな映画ですか?」と聞かれたら、「イーストウッド監督らしい作品」としか言えません。
この映画は、多くの人達に観ていただきたいと思います。